高齢者の褥瘡予防や腰痛におすすめなベッドやマットレスの選び方

年齢が上がってくるにつれて、非常に重要になってくるのが睡眠の質です。高齢者は筋肉の衰えによりベッド上で過ごす時間も増えてきて、いかに体に負担なく充実した時間をベッド上で過ごせるかがカギになってきます。

体に不快感を覚えたままベッド上で過ごしていると、負荷がかかり腰痛や褥瘡などを発症してしまうことさえあります。今回は高齢者の褥瘡予防や腰痛予防におすすめなベッドやマットレスを選ぶポイントについてご紹介しましょう。

高齢者の褥瘡や腰痛とマットレスの関係

高齢になってくると体にどんどん痛みが現れるようになり、動いてなくても痛みを伴うことさえあります。その代表格として知られているのが腰痛と褥瘡です。

腰痛は年齢に関係なく現れる症状なので、ご存知の人も多いはずです。柔らかすぎるベッドや硬すぎるマットレスで寝た場合によく腰周辺に痛みを伴うものです。腰痛は目で見てわかる症状ではなく、痛みの自覚によって症状が周囲に認識されるものなので、高齢者で話すことができない人の場合には、周囲が腰痛の症状に気づかないことも多々あります。

一方で褥瘡は特に寝たきりの高齢者によく現れる症状として知られています。褥瘡は体の一部が長時間圧迫されることで血流が悪くなり、皮膚が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまったりする、床ずれともいわれる症状です。

腰痛も褥瘡もどちらも寝ている間に体に負荷がかかることで起こってしまったり、悪化してしまったりします。また高齢者は身体機能の低下に伴い、栄養状態が悪く、むくみの症状や薬の影響で体の状態が悪いことも多いため、腰痛や褥瘡の様態が悪化しやすい傾向にあります。

いかに高齢者が快適にベッド上で過ごせるかによって、これらの症状の出方も変わってくるというわけです。

高齢者の寝具(ベッド・マットレス)を選ぶ時のポイント

高齢者にとっていかに快適であるかが肝心な寝具ですが、高齢者自身がなかなか自分で寝具を選ぶというのは難しいのが現状です。特に寝たきりとなっている人やうまく話せない人の場合、自分の要望を伝えられないということがあるからです。また高齢者の多くは、不便であってもすでに使い慣れた寝具が良いと考える人も多く、無理をしてしまうこともあります。

では、高齢者のベッド、マットレス選びに周囲がどのようなことに気を付けてあげればいいのでしょうか。

起き上がりやすいこと

体がまだ少しでも自力で動かせる高齢者であれば、なるべくその体力をキープしてあげられるような寝具を選ぶ必要があります。柔らかすぎるベッドやマットレスは腰に負担がかかるだけでなく、自力で起き上がって座位を取りにくいため、あまりおすすめできません。

だからといって硬すぎるベッドでも起き上がるときに腰に痛みが伴うのであまりおすすめできません。柔らかすぎず、高齢者が自力で起き上がりやすい反発力のあるベッドやマットレスがポイントとなります。

また同時に腰かけから立ち上がることができやすい、ベッドの高さというのも重要になってきます。ベッドが高すぎると、一人でベッドに横になることも困難ですが、ベッドが膝くらいの高さであれば、座った姿勢から横になりやすくなっています。高齢者の能力に合わせてベッドの高さも考えることが必要です。

特定部分が圧迫されにくいこと

高齢者でもほとんど寝たきりの人の場合、ベッド、マットレス選びで重要になってくるのが特定部分が圧迫されにくいということです。ほとんど寝たきりの高齢者は、自力で起き上がったり、自分の力でベッド上の体の位置を変えたりすることができないため、常に体の同じ個所が下になり、その部分の皮膚が圧迫されて血流が滞ってしまいます。そうなると褥瘡を引き起こしやすくなるので、周囲が時間を見計らって寝返りを行う必要が出てきます。

ベッド、マットレスを選ぶときに特定の部分が圧迫されないような機能のあるものを選ぶと、褥瘡予防になります。

寝返りがしやすいこと

高齢者で起き上がることはできなくても、自力でまだ寝返りを打てる力のある人であれば、寝返りを打ちやすいベッドやマットレスを選んであげることが大切です。

柔らかすぎるマットレスやベッドの場合、寝返りを打とうとしても体が沈み込んでしまって必要以上に力を入れないと寝返りを打つことができません。これは元気な若年層であっても、柔らかすぎるベッドで寝返りが打てないのと同じことです。ある程度の硬さのある、一か所に沈み込むことのないマットレスやベッドなら、軽い力で寝返りを打つことができます。

高齢者におすすめなベッドやマットレスの種類

高齢者と一言で言っても、自力で体を動かせる人、寝返りだけは打てる人、全く自力で動けない人とその介護状態によって、おすすめなマットレスやベッドも大きく変わってきます。

その時に出来ることは周囲がサポートしてあげながら、なるべく本人の力で行い続けることができるよう環境を整えてあげることが大切です。また、同時に、体の状況に合わせて寝具などを変えていくことも必要です。

では具体的におすすめなベッドやマットレスについて詳しくご紹介しましょう。

健康で介護不要なら高反発マットレス

高齢者でもまだまだ健康で介護を必要しない人であれば、今の身体能力をサポートしてくれる高反発マットレスがおすすめです。高反発マットレスは、若い人にも人気のマットレスで様々な素材からつくられているマットレスです。高反発マットレスは、高い反発力が特徴で体圧分散に優れていて、寝返りが打ちやすい特徴があります。

高反発マットレスの素材で特に多いのが高反発ウレタンフォームを使った高反発ウレタンマットレスです。スポンジのような滑らかな寝心地が特徴で、沈みすぎることなく体をしっかりと支えてくれます。またコンパクトにできるものも多く、布団と合わせて使用できるのも人気の秘密です。

他にもボンネルコイルやポケットコイルといわれる金属のスプリングから出来た高反発マットレスもあります。また少し硬めの寝心地が特徴のラテックスマットレスも高反発マットレスの一種です。これらのマットレスは高反発ですが、ベッドフレームで使うものが多く、布団と合わせての使用ができないため、人によっては不便に思うこともあります。

体圧分散性の良いポケットコイル(お手入れ・移動は不便)

寝ている時に体にかかる負荷を最小限に抑えたいのであれば、体圧分散に優れたポケットコイルのマットレスがおすすめです。ポケットコイルは、金属のスプリングを使ったマットレスですが、スプリング一つ一つが袋で包まれていて独立しているため、体を点で支えることができ体にフィットした状態を保つことができます。体の凹凸に合わせてしっかりとスプリングが沈み込むため、体の一か所に負荷がかかるのではなく、体を自然な位置でサポートしてくれます。

ただし、ポケットコイルマットレスは折り畳みができず、大きくて重たいため高齢者が一人で移動させるには不便さが伴います。また洗ったりすることもできないため、お手入れがしにくいという欠点もあります。

在宅介護向けならパラマウントベッド

高齢者で寝たきりの人におすすめなのが、介護用に開発されたパラマウントベッドです。パラマウントベッドは言わずと知れた有名な介護ベッドメーカーで、世界でも圧倒的なシェアを誇る会社です。

介護される側と介護する側の両方の観点から開発されたパラマウントベッドは、在宅で寝たきりの高齢者の介護には欠かせないアイテムとなっています。ベッド本体の高さが調節できるのはもちろん、上部だけをあげることも可能です。マットレス底部分は頭頂部の持ちあげ、ひざ部分の持ちあげ、足先の持ちあげと細かく調節できるうえ、専用のマットレスを使えばマットレス中の空気圧の変化によって自動で寝返りを打つこともできます。

高齢者の介護は、高齢者の体も大きい分、本人にも周囲にも負担がかかるものです。こういった寝具を活用しながら、うまく環境を整えてあげましょう。