肩こりにおすすめなマットレスの選び方

肩こりは子供から大人まで、年齢問わずさまざまな人が患っている疾患です。その数は年々増加傾向にあり、本当にたくさんの人が肩こりの症状に悩まされています。

肩こりは常に肩や首に違和感を抱いた状態で、日常生活に支障をきたすことはもちろん、起きているだけで辛いということもよくあります。せめて寝ているときくらいは肩こりから解消され、あわよくば寝ることによって肩こりが改善されていたら、これほどうれしいことはないですよね。

実は肩こりは寝ている間に改善させることも、悪化させることも可能です。朝起きて疲れが取れないという人は、もしかしたら今使用している寝具があっていなく、肩こりが悪化している可能性も考えられます。

今回は肩こり改善におすすめなマットレスの選び方をご紹介します。

肩こりとマットレスの関係

「寝ているときのマットレスなんてどれも同じでしょう?だったら柔らかくてフカフカしたものがいい」なんて思っていませんか?マットレスは種類により特徴も寝心地も全く異なるものです。

マットレスには心地よい眠りを追求することはもちろん、体の疲れを取り、体の機能を高める作用があります。眠りの質は健康な体を作りだします。それはもちろん肩こりに関しても言えることです。マットレスと肩こりの関係は大きく3つのポイントに分けられます。

  1. 加重分散(体圧分散)
  2. 寝姿勢(S字カーブ)
  3. 寝返り

この3つが肩こりとマットレスに深く関係しています。それぞれどう関係しているのか?具体的にみていきましょう。

加重分散(体圧分散)

まず1つは加重分散です。寝ているときの体は重力に従い、体の中の重たい部分や出っ張った部分がマットレスに強く当たるようになっています。

この時に肩にかかる加重がうまくマットレスに吸収されないと、寝ている間も肩は常に緊張した状態が続き、朝起きた時に痛みを感じてしまいます。

寝姿勢(S時カーブ)

2つ目は適度なS字カーブです。人の体は背骨のS字カーブがあることによって立つことができるよう、バランスをとっています。しかし寝ている間に背骨の適度なS字カーブが、合わないマットレスによって歪んでしまうことで肩や首に痛みを伴うようになります。

寝返り

そして3つ目が寝返りです。人は寝ている間に寝返りを20回から30回程度打ちます。

寝苦しいと寝返りを打つように思われがちですが、寝返りには血行を促進させ、日常生活で偏った筋肉のバランスを整える働きがあります。しかし合わないマットレスだと寝返りが打てなくなり、血流が滞り肩こりを悪化させてしまいます。

肩こりとマットレスにはこういった関係があるため、自分に合ったマットレスというのが非常に大事になってくるというわけです。

マットレスが柔らかすぎても硬すぎても肩こりは悪化する

では、どのようなマットレスがいいマットレスだといえるのでしょうか。ベッド文化の浅い日本人は、いいマットレスというものに馴染みがありません。漠然と柔らかくてフカフカしたマットレスや高価なマットレスがいいマットレスだと思っている人も多くいます。

マットレスには様々な種類があり、種類によって使い心地も全く異なれば、本来の使用用途も異なります。数多くあるマットレスの中からいかに自分の体の症状に合ったものを選ぶかがカギになってきます。

肩こりとマットレスの関係でも述べましたが、快適な睡眠には加重分散と背骨のS字カーブの維持は欠かせないポイントです。

柔らかすぎるマットレスでは加重分散がうまくいかず、体の重たい部分や出っ張った部分がマットレスに沈み込むように深く入り込んでしまいます。極端に言うと腰の部分にかけて体がU字型になるようにマットレスに沈んでしまったり、上半身だけが沈み込んでしまったりと不自然で明らかに寝苦しい体勢になってしまいます。

また柔らかすぎるマットレスでは、体が思った以上に沈み込んでしまうため寝返りを打つこともできません。

だからといって硬すぎるマットレスでは、マットレスの弾力が強すぎるため横になったときに首や腰、膝裏などが宙に浮いてしまいます。またマットレスに体がすべて着くような体勢になると、本来カーブしているはずの背骨が直線になってしまい体のあちこちに異常をきたすようになります。

マットレスは柔らかすぎても硬すぎても体にとっては無理のかかる姿勢になってしまい、結果的に肩こりを悪化させてしまいます。

肩こり解消を目的としたマットレスの選び方

自分に合ったマットレスを選ぶことができれば、肩こり解消も寝ている間に行うことが可能です。実際に肩こり解消を目的としたマットレスや肩こりと寝姿勢についての医学書なども販売されており、肩こりは寝ている間に解消できることが分かっています。

重要なのは加重分散ができて、適度な背骨のS字カーブを維持できるマットレスだということです。

では実際にどのくらいの硬さのマットレスが、肩こり解消には適しているのでしょうか。

硬さは自分の体重を目安に決める

自分に合ったマットレスと獏前的に言われても、なかなかどの程度の硬さのマットレスが自分に合っているのかはわかりにくいものです。自分に合っているマットレスが自分の好みの硬さとも限りません。ウレタンマットレスの硬さについては、消費者庁のホームページに以下のように記載があります。

日本工業規格K6400-2(軟質発泡材料―物理特性―第2部:硬さ及び圧縮応力―ひずみ特性の求め方)の6.4「A法(四十%定圧縮して三十秒後の力を求める方法)」に規定する硬さ試験の測定方法により得た数値をニュートン(重量キログラム)単位で表示したものの大きさに応じ、次の表の左欄に掲げる区分に従い同表の右欄に掲げる用語を表示し、数値を括弧書きで付記するものとする。

 この場合における許容範囲は、その硬さを示す数値に200ニュートン(20重量キログラム)を加えたものの±10%以内とする。

区分 用語(表示名)
110ニュートン(11重量㎏)以上 かため
75ニュートン(7.5重量㎏)以上110ニュートン(11重量㎏) ふつう
75ニュートン(7.5重量㎏)未満 やわらかめ

参照元:消費者庁ホームページ

ニュートンという表記が分かりにくいかもしれませんが、質量約100gの物体に働く重力が1ニュートンとなります。上記表記でもっとわかりやすく言うと、ニュートンの数値が大きいほど硬くなるということです。ウレタンフォームで作られたマットレスは品質表示の個所に、どれぐらいの硬さなのかを示すニュートンという記載があります。

万が一、品質表示の個所にこのニュートン記載がなければ、粗悪な商品、品質が保てない商品の可能性があるので購入はやめるようにしましょう。

上記の表をある程度理解したうえで、体重ごとに違うおすすめの硬さのマットレスを下記の表にしてみました。

区分 おすすめ体重量
100ニュートン~150ニュートン 40㎏~50㎏
40ニュートン~180ニュートン 50㎏~90㎏
170ニュートン以上 90㎏以上

上記はあくまでも目安であって、絶対これでなければいけないというものではありません。

それでも体が沈み込みすぎず、寝返りがしっかり打てる硬さというのを前提に体重とマットレスの硬さを考えた表になるので、参考にしていただければと思います。

肩こりにおすすめなのは高反発マットレス

上述した体重とおすすめの硬さのマットレスを参考に、さらに肩こり対策を行いたい人におすすめしたいのが高反発マットレスです。

高反発マットレスはもともと寝ることを前提に考えて開発されたウレタンマットレスです。同じウレタンマットレスでも低反発マットレスはNASAが開発した素材を寝具用に転用したもので、そもそもの成り立ちが高反発マットレスと異なります。

高反発マットレスは体を支える力が高く、加重分散に優れているので、寝返りをしっかり打つことが可能です。また適度に沈み込むため、背骨のS字カーブも保て、寝ている間に血行促進を期待することができ、肩こり改善にも効果的です。

体重50㎏以下の方は低反発マットレスもおすすめ

低反発マットレスは本来、寝具用に開発されたものではなかったといいましたが、だからといって低反発マットレスが悪いというわけではありません。低反発マットレスには、加重をしっかりと吸収し、包み込むように優しく沈み込むという特有の良さがあります。その特有の柔らかさと高いフィット感から低反発で作られた枕は整骨院などで高く支持を受けたほどです。

しかし、低反発のマットレスとなるとすべての人に必ずしも合うというわけではありません。体重の重たい人や体格のいい人が低反発マットレスを利用すると、重さゆえに体が沈み込んでしまい本来低反発マットレスが持っている寝心地の良さを実感することができません。

これもあくまで目安でしかありませんが、低反発マットレスは50㎏までの体重で非常に有効であり、50kgを超えてくると体がマットレスに沈み込んでしまうため快適な寝心地を得られなくなってしまいます。つまり体重50㎏以下の人で肩こりに悩む人であれば、高反発マットレス以外にも低反発マットレスが有効だというわけです。

枕の高さがあっているかも確認しよう

肩こりはマットレスで改善することは可能ですが、自分に合うマットレスを使用しても必ずしも改善されるというわけではありません。マットレスを変えて、幾分か快眠を得られるようになった場合でも、まだ肩こりが酷い、もしくは寝苦しさが残るといった場合には枕があっていない可能性も考えられます。

どんなに自分に合ったマットレスを使用しても枕の高さが自分にあっていなければ、背骨の適度なS字カーブは実現できません。高さの合わない枕を使用していると肩こりが改善しないばかりでなく、正しい姿勢を保てなくなってしまい、体調不良につながってしまうこともあります。自分に合ったマットレスを選ぶ際には合わせて枕の高さもよく確認し、寝具全体のバランスとして自分に合っているかを確認するようにしましょう。