ストレートネック「スマホ首」の改善方法&ストレッチを柔道整復師が解説【注意点あり】

柔道整復師監修のストレートネック改善ストレッチ

ストレートネックは近年ではスマホ首とも呼ばれ、全身の不調を引き起こす姿勢不良として一般的に認知され始めています。

たった一度の外力でストレートネックになってしまうわけではなく、日々の生活習慣の積み重ねで出来てくるものです。

今回は、ストレートネックのリスクや改善方法についてご紹介していきます。

記事の執筆者
立林幸汰
立林 幸汰
柔道整復師

柔道整復師の国家資格を所有し、接骨院の院長を務める。肩こりや腰痛はもちろん、頭痛や自律神経失調症などの分野でも専門的な施術を行っている。健康雑誌にも掲載実績があり、全国から患者様が来院されている。

立林 幸汰【プロフィール】⇒

ストレートネック「スマホ首」が
引き起こす症状

ストレートネック、最近ではスマホ首と呼ばれる症状は、首だけではなく全身の様々な症状の引き金になる可能性があります。

慢性的な肩こり

マッサージにいっても全く良くならない、長年に渡って悩んでいる肩こりや首こりがあるという方は、もしかしたらストレートネックが原因かもしれません。

ストレートネックは、背骨を横からみると頭の位置が少し前に突き出しています。この姿勢が常に続くので、重い頭が前に落ちないよう支えるために、首や肩の筋肉が緊張状態になってしまうのです。

時間をかけて揉み解したり、首元を温めたりすれば一時的に肩こりが楽になるかもしれません。しかし、負担をかけている根本的な原因が改善されていないので、すぐにまた肩こりが辛くなるのです。

頸椎ヘルニア

ストレートネックという姿勢は、頸椎ヘルニアが発生するリスクを最も高める姿勢といっても過言ではありません。

本来の頸椎にあるべきゆるやかな前方凸のカーブが無くなっている状態なので、頭の重さや足を地面についた時の衝撃が緩衝されずに頚椎に伝わってしまいます。

それが原因で少しずつ頚椎の椎間板を変形させ、ヘルニアへと移行していくのです。頚椎ヘルニアになると、首の痛みに加えて、上肢のしびれや痛みを発生させます。

手術が選択されるケースもありますが、ストレートネックが改善されていなければ頚椎ヘルニアを再発させてしまう症例も多いです。

頭痛

ストレートネックの姿勢は、常に首の負担を蓄積します。そのため、首の筋肉が硬くなることや頚椎周辺の自律神経にダメージを与え、頭痛の原因となるのです。

緊張型頭痛の多くの原因はストレートネックなどの姿勢にあり、頭痛薬を服用しても痛みを繰り返すケースがあります。頭痛の頻度を少なくするためには、姿勢を改善して首にかかる負担を減らす必要があるのです。

ストレートネックで頚椎に負担をかけ続け、頭痛だけでなく自律神経失調症に繋がることもあります。

ストレートネックのチェック方法

ストレートネックではない見た目チェック
ストレートネックの場合の見た目チェック

ストレートネックをチェックする最も簡単な方法は、壁を背にして立つ方法です。

壁を背にして踵(かかと)をつけて立ち、まっすぐ前を向きます。

そのときに、頭、肩甲骨、お尻がしっかり壁についているかどうかをチェックしてください。

  • ストレートネック軽度の場合
    頭が壁から少しだけ離れるが、軽く力を入れればすぐ後頭部がつけられる
  • ストレートネック中度の場合
    頭が壁から離れ、後頭部をつけようとすると背骨が痛くなる
  • ストレートネック重度の場合
    頭と肩甲骨が壁から離れ、後頭部を壁につけられない

ストレートネックの傾向が強いと、頚椎から胸椎にかけての動きが悪くなります。

その結果背骨の伸展動作が制限され、頭を壁につけようとすると背骨に無理な負担がかかるのです。壁に背中をつけて立つ方法以外では、仰向けに寝た状態の姿勢でチェックすることもできます。

仰向けで寝た時に枕が無くても問題なく寝られる場合は正常で、枕が高くないと首や背中が痛くなる場合はストレートネックの可能性が高いです。

【注意】ストレートネックの
ストレッチをやらない方が良い場合

これからストレートネックのストレッチ方法をご紹介しますが、ストレッチを行わない方が良い方もいます。

ストレッチを控える人
  • ストレッチの動作で痛みが発生または憎悪する方
  • 頭位性めまいを発症している方
  • むち打ち損傷直後の方
上記のような場合にはストレッチを控えるようにしましょう。

ストレッチの動作で痛みがひどくなるようでは、正しい動作が行えません。人間は、痛みを感じると無意識のうちにかばった動作になります。

そこから背骨のゆがみを発生させたり、他の関節への負担を増やしたりしてしまうかもしれません。

また、めまいを発症している方はストレッチ動作によって症状が悪化するケースもあります。体調をよく観察しながら、無理のない範囲で過ごしてください。

交通事故など強い衝撃によってむち打ち損傷を起こしている場合は、まずは安静が第一なのでストレッチは控えた方が良いでしょう。

ストレートネック改善に役立つ
ストレッチ&姿勢

ストレートネックを自分で改善するためのストレッチ方法や、普段の生活で意識するべき姿勢の作り方をご紹介していきます。

ピストルストレッチ

ピストルストレッチ動作1
ピストルストレッチ動作2
ストレッチ手順
  1. 両手をピストルのように組み、腕を前に伸ばす
  2. 指先を見ながら腕を上げていき、顔も一緒に上を向く
  3. 無理のないところまで上げたら10秒程度止める
  4. ゆっくりおろす
  5. 3回繰り返す

首の前側や横についている筋肉をストレッチすることで、ストレートネックを改善に導く体操です。

顔を上に向けるだけでもストレッチ出来ますが、手を付けることで首の正しい伸展動作が出来るようになります。頭が前に突き出たまま頚椎を伸展させると、かえって神経の通り道を狭くしてしまうので注意が必要です。

ぜひ手も一緒につけてストレッチしてください。

胸椎ストレッチ

胸椎ストレッチ動作1
胸椎ストレッチ動作2
ストレッチ手順
  1. 両手で両肩に触れる
  2. 背中を丸めながら、両肘を胸の前で閉じる
  3. 前を見ながら両肘を開いていく
  4. 胸を張りつつ、視線を少し上に向ける
  5. ゆっくり5回繰り返す

胸椎という、左右の肩甲骨の間にある背骨をしなやかにするストレッチです。

ストレートネックがなかなか改善できない原因の一つに、胸椎の硬さがあります。胸椎の動きが制限されることで、頚椎が前に突き出るしか無くなってしまうのです。

首を一生懸命後ろに引こうと思っても、胸椎のしなやかさが無いと無理な負担をかけます。

ハンガーストレッチ

ハンガーストレッチで準備するタオル

ハンガーストレッチ動作1
ハンガーストレッチ動作2
ストレッチ手順
  1. 肩甲骨の下にタオルを敷いて仰向けに寝る
  2. 両手にハンガーを持つ
  3. 頭の上までハンガーを持ち上げる
  4. お腹の方におろす
  5. 10回繰り返す

胸椎の動きや、肩甲骨の可動域を広げてストレートネックを改善するストレッチです。

肩甲骨の動きが良くなれば、首や肩の緊張は大幅に緩和されます。その結果頚椎の可動性も改善され、ストレートネックも改善されるのです。痛みがなく、楽にできる範囲で行います。

でんでん太鼓ストレッチ

でんでん太鼓ストレッチ動作1
でんでん太鼓ストレッチ動作2
ストレッチ手順
  1. 足を肩幅に開いてまっすぐ立つ
  2. 上肢を脱力する
  3. 腕が体に巻き付くイメージで、体幹を左右に捻る
  4. 左右に5回ずつ捻る

立った状態で体を捻るだけというシンプルなストレッチです。

ストレートネックを改善するには、脊柱起立筋という背骨の両脇にある筋肉の緊張を緩和することも重要になります。このストレッチでは、脊柱起立筋を始め背骨を安定させるための細かな筋肉の緊張が緩和できるのです。

体全体をリラックスさせることにも繋がるので、肩こりの改善にも役立ちます。

ストレートネックを改善する姿勢

ストレートネックの悪い姿勢
ストレートネックを改善する姿勢
姿勢のポイント
  1. お腹をへこませるように、へその下に力を入れる
  2. 左右の肩甲骨を中心に寄せるように、軽く両肩を引く
  3. 顎(あご)のラインを地面と水平にするように、目線を上げる

これが機能的に見た正しい姿勢の作り方で、定期的にこの姿勢を作ることがストレートネックの改善と予防に繋がります。

証明写真を撮影するときのように、顎を引くことが良い姿勢だと思う方もいるかもしれません。

しかし、あれは機能的にみると背骨を緊張させてしまうので良い姿勢とは言えません。お腹に力を入れて体幹を安定させてから、頚椎の自然なカーブを作るイメージで行ってみてください。

ストレートネックの治療は
どこに行くべきか?

自分がストレートネックだと感じる、または明らかにストレートネックによって首の負担が蓄積している場合には、どこに相談したらいいのでしょうか?各医療機関での治療方法をご紹介していきます。

整骨院での治療方法

整骨院では、基本的に電気治療とマッサージなどの手技療法になります。保険治療の範囲では、ストレートネックの根本的な原因である姿勢や慢性症状までは対応できません。

寝違えやむち打ちといった急性的な症状を緩和させる過程で、結果的にストレートネックの改善を目指す形になります。ストレートネックの改善だけでは、保険適応にはならないのです。

接骨院での治療方法

接骨院は整骨院と同様です。屋号の表記が異なるだけで、施術内容は接骨院と整骨院共に全く同じになります。中には保険治療とは別に、自費診療を行っている院もあるでしょう。

自費診療であれば、マッサージやストレッチによってストレートネックの原因である頸部の筋肉や背部の筋肉にある緊張をほぐす施術が受けられます。

整体での治療方法

ストレートネックの改善という目的でいえば、整体での施術が最も根本的な改善に近いと言えます。

保険治療という枠に縛られていないため、ストレートネックの原因である頚椎や胸椎の可動性を改善するような施術が受けられます。

さらに、骨盤が後傾しているとストレートネックの傾向が強くなるので、骨盤矯正を含め全身の姿勢矯正が受けられる整体院を探してください。

柔道整復師など、国家資格を持ちながら整体院で働く治療家も多いです。有資格者の方が安心できるという方は、施術者の資格の有無も確認しておくと良いでしょう。

整形外科での治療方法

整形外科では、牽引治療が主になります。その他、ストレートネックによって痛みなどの症状が出ている場合、痛み止めや湿布の処方もあるでしょう。

しかし、基本的にはストレートネックそのものの改善というより、ストレートネックに起因する症状の緩和がメインです。

ストレートネックを放置することによって、頚椎ヘルニアが悪化するなど手術が必要な場合には整形外科で治療することになります。あとは日常生活の指導など、セルフケアによって再発の予防をしていくことになるでしょう。

ストレートネックに
おすすめな枕の条件は?

ストレートネックの場合、仰向けに寝た時に首や背中に痛みを発生することがあります。背骨に負担をかけながら睡眠を取らなければならない状況だと、身体の回復力が低下してしまいます。

枕の選び方はストレートネック改善を目指すうえでも、とても重要です。

枕を選ぶポイント
  • 仰向けでも横向きでも無理なく寝られる
  • 寝返りが問題なくできる
  • 首の後ろと布団の隙間が埋まっている
  • 朝起きた瞬間に首の痛みが無い
これらの条件に当てはまる枕を探してみてください。焦ってオーダーメイドの枕を作るのではなく、まずはバスタオルを重ねるなどして高さを調節するのが良いでしょう。

また、ハンドタオルを細長く丸めて首の下に置くだけでも、フィットするケースがあります。自分に合った枕を探すために、様々な形で試してみてくださいね。

〜 執筆・監修ここまで 〜

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